Qスイッチレーザー:種類、痛み、注意ポイントとは?

お尻の黒ずみ

お尻の肌トラブルの治療で使用されることがある「Qスイッチレーザー」について紹介します。

Qスイッチレーザーとは?

Qスイッチレーザーは、厚生労働省の許可を受けたレーザー治療機器。

正常な組織には反応せず、皮膚内部のメラニン色素のみを効果的に破壊することができます。

そのため周囲の正常な皮膚を傷つけず、シミや黒ずみだけ解消、除去することができることから医療現場でよく使用されています。

種類

Qスイッチレーザーには大きく3つの種類があります。

[Qスイッチレーザーの種類]

  • Qスイッチアレキサンドライトレーザー
  • Qスイッチルビーレーザー
  • QスイッチYAGレーザー

それぞれ特徴があるので見てみましょう。

Qスイッチアレキサンドライトレーザー

Qスイッチアレキサンドライトレーザーは、「アレキサンドライト」という宝石を使用したレーザー。

波長は755nm、パルス幅50~100nsec。

755nmの波長は、日本人の肌にとって刺激が少ない波長です。

肌の奥(真皮)深くにあるメラニン色素にのみ反応し、シミ、黒ずみを改善します。

また最近の研究では、肌のコラーゲンの産出を促し、毛穴の引き締め効果もあることが報告されています。

[特徴]

  • 黒色の色素に強く反応する性質を持つ。
  • 日本人の肌質に適した波長をもち、ダメージが抑えられる。
  • レーザー照射後の色素沈着、瘢痕、色素脱色などのリスクが少ない。
  • 脱毛レーザーとしても使用可能。
  • 肌のコラーゲンの産出を促し、毛穴の引き締め効果が期待できる。
治療対象【保険適用】
太田母斑(青アザ)・外傷性色素沈着・外傷性刺青
【保険適用外】
ソバカス・炎症性色素沈着(ニキビの跡や傷跡の色素沈着)・光線性花弁状色素斑(強烈日焼けじみ)・老人性色素斑・脂漏性角化症・刺青・アートメイク除去
治療回数薄いシミ:1、2回

濃いシミ:3~5回

治療費の目安~1cm未満:10,000円~12,000円

Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは、波長が694nm、パルス幅が20nsecほど。

メラニン色素への吸収率が高いレーザーです。

黒色や茶色の色素性病変治療に優れていますが、肝斑は不可。かえってシミが濃くなってしまうことがあります。

[特徴]

  • 皮膚内部のメラニン色素が原因となっている病変の治療に効果的である。
  • 酸化ヘモグロビンへの吸収が低く、メラニン色素のみを取り去ることができる。
  • 比較的広範囲の治療が可能である。
  • タトゥー除去にも高い効果が期待できる。
治療対象【保険適用】
太田母斑(青アザ)、外傷性色素沈着
【保険適用外】
ソバカス・炎症性色素沈着・光線性花弁状色素斑・老人性色素斑、脂漏性角化症・ホクロ・イボ除去、刺青・アートメイク除去
治療回数薄いシミ:1、2回

濃いシミ:3~5回

治療費の目安2mm~5mm以下: 3,000円~5,000円

5mm~6mm以下:6,000円~ 7,000円

10mm以下:10,000円

QスイッチYAGレーザー

QスイッチYAGレーザーは、唯一2種類の波長を持つ高性能なレーザー。

皮膚の深部(真皮)に届く1064nmの波長に加え、表皮のメラニン色素を効率よく破壊できる532nmの波長を持ち、パルス幅は6nsec前後です。

この2つの波長を必要に応じて切り替えることで、メラニン色素の深いもの、浅いものなどに対応した治療ができます。

”10億分の数秒”という極めて短時間でレーザーを発振するため、患部周辺組織に影響を与えることなく治療が可能。

またこれまで治療が難しかった肝斑の治療もできます。

[特徴]

  • 皮膚の深部(真皮)のシミや表皮にある浅いシミのどちらにも効果的に治療ができる。
  • シミ・ソバカス・アザ・タトゥー・アートメイクの除去など幅広い治療に適応。
  • 他のレーザーでは治療が困難な肝斑の治療が可能。
  • 色素だけを除去し、傷痕を残す心配はほとんどない。
治療対象【保険適用】
太田母斑(青アザ)、外傷性色素沈着
【保険適用外】
シミ・ソバカス・アザ(扁平母斑、太田母斑等)・蒙古斑(異所性/持続性)・肝斑(かんぱん)・毛穴の黒ずみ・毛穴の開き・にきび、アートメイク除去
治療回数薄いシミ:1、2回

濃いシミ:3~5回

肝斑には5回以上

治療費の目安受ける部位によって大きく異なります。

痛みについて

痛みについての感じ方は個人差がありますが、輪ゴムで弾かれたような痛みがあるといわれています。

特に色素が濃いほど痛みが強いです。

そのため麻酔を使うこともあります。

痛みについて不安な方は事前に医師にご相談ください。

ダウンタイムについて

治療後は、火傷のようにピリピリとした痛みや赤く腫れたようになります。

医師から処方された軟膏を塗りケアしましょう。

時間とともに痛みは消えていきます。

また患部は術後かさぶたができますが、1~2週間ほどではがれていきます。

注意すること

治療後のアフターケアが大事です。

紫外線対策をしっかり行う。

治療後、患部を強くこすったり、紫外線に当たると、元よりもシミ、黒ずみが濃くなってしまう可能性があります。

一年中UVケアをするのは当たり前といわれる時代ですが、その中でも特に治療後3ヶ月は紫外線対策を徹底して行いましょう。

お尻については、紫外線が直接当たる機会は海やプールに行くなど限定的ですが、こすったり、刺激を与えないように気をつけてください。

かさぶたは自然に剥がれ落ちるまで待つ。

治療後、数日すると新しい皮膚が再生され、かさぶたができます。

そして大体1~2週間ほどで自然と剥がれ落ちます。

しかし時にはそれ以上かかることもあります。

そんな場合でも無理に剥がさず、自然と剥がれ落ちるまで待ちましょう。

まとめ

シミや黒ずみ治療に使用される「Qスイッチレーザー」。

皮膚の正常な部分には傷をつけず、シミや黒ずみの元であるメラニン色素だけを除去、解消することができるレーザー治療機器です。

回数は、症状によって異なります。

1回で済む場合もありますし、5回以上繰り返し行うこともあります。

Qスイッチレーザーで特に注意しておきたいのが紫外線です。

治療後に紫外線に当たると、元よりもシミや黒ずみが濃くなってしまう可能性があるので、いつも以上にしっかり紫外線対策を行いましょう。